01;北方領土「特命交渉」

北方領土「特命交渉」

北方領土「特命交渉」

元外交官である佐藤優と2002年外務省をめぐる疑惑事件で逮捕された鈴木宗男との対談集。
具体的な外務官僚,学者名を挙げ、「北方領土ビジネス」など北方領土について問題の本質が記述されている。
日露関係が及ぼす影響として、チェチェンなど中央アジアでの政治情勢、911同時多発テロまでどのような力学が働いているのか非常に分かりやすく説明されている良書である。


田中眞紀子が介入したことにより外務省と鈴木宗男の力関係が崩れ「時代のけじめ」として国策捜査が行われるまでの過程について、どのようにマスコミに踊らされているかいい勉強になった。


判決が近づいている「ライブドア問題」について同じ国策捜査として本著内ではその特徴として以下のように説明されている。
国策捜査は「時代のけじめ」
 時代を転換する為に何か象徴的な事件を作り出してそれを断罪する
国策捜査で犠牲になった人(被疑者)に対する礼儀として罪を出来るだけ軽くし、形だけで責任をとってもらう
実刑ではなく執行猶予をつけるようにする
 国策捜査で捕まる人は高い能力があるために、今後も社会に貢献できるようにできるだけうまい形で再出発するように配慮する